「フィラデルフィアはアートの街だよ」
知り合いにそんなことを言われたので、行ってきました。今回はフィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art)を紹介します。
アメリカに来てから、割とかなりの数の博物館や美術館に足を運んでいます。フィラデルフィア美術館は、ワールドクラスの有名な美術館ですが、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やAlbanyの歴史美術館、カナダのモントリオール美術館に比べても、個人的に最も面白かったです。
3階建てで、アメリカ美術、アジア、西洋アート、現代アート、写真などの分野があります。
こちらはボトル芸術。時代ごとに違う鋳型と製法で作られているのですが、説明も詳しく、何より形や模様、色合いが面白くてすごく好きでした。アンティークショップではなかなか見つけられない代物ばかり。
個人的に結構衝撃的だった絵画。Thomas Eakinsというフィラデルフィア出身の画家の作品で、医学大学で実際に手術の実践授業を描写した作品。かなり異論の多い作品だそうで、何人もの人が絵の前で深く考えていました。
ちょっと近づいてみると、確かに論争を呼びそうな作品。ずっと眺めてしまいました。
広い展示室。この美術館が好きだったのは、作品の見せ方や空間の作り方がしっかりと計算されていて、工夫されているのが目に見えてわかったというのが理由のひとつです。
お気に入りの作品のひとつ。この4つの石を使って、海、川、谷、山などが描写されています。このアイデア、面白いですよね。
この写真も好きでした。3枚の正方形の写真を並べて、夫婦間の愛、孤独、すれ違い、不安、焦り、いらだちなどを第三者的な目線から描いている作品。3枚目にはコップがひとつしかなくて、灰皿がありません。また、撮影されたアングルが3枚とも微妙にずれているところに深い意味を感じました。
日本アートも想像以上にたくさんありました。江戸時代の作品が多かったです。写真は、茶室の復元。ひとりのアメリカ人のおばさんが、この空間に入り込んだ瞬間こどものようなきらきらした目で、口をぽかんと開けて「わー!」と言っていたのが印象的です。日本の魅力って、全然伝わっていないんですよね。この美術館がきっかけで、日本に行きたい!って思ってくれると嬉しいです。
西洋美術コーナー。全体的に、キリスト教を描いた作品が多かったです。
気づいたら、軽く3時間はうろうろしていました。
大きなカフェテリアや、ビュッフェが食べられるレストランもあり、一日中長居することもできます。また、期間限定で特別展覧会をやったりもしているので、面白い展覧会があればそれを狙っていくのもありかもしれません。
ニューヨークシティからバスで2時間。チャイナタウンから10ドルでバスが出ています。ちょっと足を延ばせば行ける距離にあるので、もし機会があれば行ってみてください。
フィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art)
.