僕たちの結婚式ができるまで

2021年5月3日、新型コロナウイルスの影響で1年延期した結婚式を挙げました。

終始、まるで夢の中にいるような気持ちで、妻と2人でこだわって作り上げてきた甲斐がありました。たった3時間の式では、僕たちが用意してきた想いを伝えきることはできないと思ったので、僕たちがどんな風に結婚式を作ってきたのかをまとめることにしました。

コンセプトは“ALL IN ALL OUT

僕たちの結婚式は、CRAZY WEDDINGにお願いして一緒に作り上げてきました。様々なヒアリングを経て提案してもらったコンセプトは、“ALL IN ALL OUT”。ALL INは、当時ポーカーにはまっていた僕たちにちなんで「人生をすべてあなたにかける」という意味から来ています。

ALL OUTは、「一度きりしかない人生だから、やりたいことや夢に向かって、挑戦し続けよう」という意味が込められています。僕たちにとってピッタリなこのコンセプトがあったおかげで、最後までやり遂げることができました。

ゲストリストの一部

2人で作ったこだわりの作品たち

僕たちは、DIYで家具を作ったり、イラストやデザインをして印刷したり、作ることが大好きです。まずは、結婚式のために2人がこだわって作ったものを紹介します。

①ロゴ(スタンプ・蝋はんこ)
②紙から選んだ、招待状
③カキモリで作った、芳名帳
④何が来るかはお楽しみ。1年以上かけて選んだ、引き出物
⑤ウェルカムボードは得意のDIYで
⑥iPadでイラストを描いた、ゲストリスト
⑦心を込めて書いた、ゲスト全員への手紙
⑧オープニングムービー・生い立ちムービー

①ロゴ(スタンプ・蝋はんこ)

僕たちはまず、結婚式用にロゴを作ることにしました。ロゴがあれば、あらゆるものに一貫性を出すことができるからです。

序盤の下手くそな絵は、僕が描きました。

途中ちょっと変な路線に走ってますが、最終的に妻の描いたイラストを採用し、僕がロゴをデザインしました。

ロゴが決まれば色んなものを作り始められます。まず最初に作ったのは、ゴムスタンプと蝋はんこ。特に蝋はんこは、初めての取り組みでしたがこんなにディテールまで細かく作れることを知り感動しました。

ロゴのキングを少し改良して、はっきり見えるようにしました。

②紙から選んだ、招待状

ゲストに送った招待状は、Pinterestを参考に、紙やサイズを決めて銀座の伊東屋でカットしてもらうところからスタートしました。こだわったのは、3つ折りがちょうど表面の中心で終わるように折り、周囲を帯で巻くこと。やってるうちに慣れてきて楽しくなっていきました。

返信用はがきは、妻が水彩絵の具で絵を描き、それを8等分してはがきサイズにしました。実はそれぞれ手元に届いているはがきの絵が違くて、皆さんから集まったものを並べると1枚の大きな絵になるようになっています。はがきを入れるポケットも、自分達で糊付けしました。すべてオリジナルデザインです。

招待状には、ロゴをエンボス加工して印刷しました。

蔵前のEast Side Tokyoで購入したドライフラワーを、それぞれの招待状に蝋はんこでくっつけて封をしました。既製品の蝋はんこシールもあるのですが、味を出すためには本物が一番ですね。

③カキモリで作った、芳名帳

芳名帳は、蔵前の大好きな「カキモリ」で作りました。あらかじめカキモリで買った紙に、デザインした芳名帳を印刷し、カキモリで製本してもらいました。

ちょっとしたことですが、ゲストが受付の時に名前を書くのが楽しくなってもらえるようにと思い、作りました。式の後にみんなの名前が入っている芳名帳を見るのは、嬉しかったです。

④何が来るかはお楽しみ。1年以上かけて選んだ、引き出物

僕たちがこだわった中でも、かなり時間をかけたのが引き出物です。せっかく高い買い物をするのでから、心を込めて1つ1つ選びたい。

そんな想いから、大好きな陶器屋さん、青山のat Kilnと蔵前のProtoに通いつめ、1年以上かけてセレクトしました。家で陶器市ができるくらい、たくさん買ったと思います。引き出物という文化の新しい楽しみ方を発見した気がします。お店で展示会などもあり、実際に作家さんとお話しできる機会もあって楽しかったです。

梱包にもこだわりました。普通のプチプチに詰めるだけだとどうもオリジナリティがないので、シモジマで梱包資材を買ってドライフラワーを付け、1つ1つ自分達の手で梱包しました。誰に何が当たるかはお楽しみにしたので、みんなから報告がもらえるのも楽しみの1つになりました。

引き菓子はオーボンヴュータンのキャラメル、縁起物には浅草合羽橋のぬまた海苔の食べくらべセットと、2人それぞれのお気に入りのお店で選びました。

⑤ウェルカムボードは得意のDIYで

会場の入り口に設置したウェルカムボードは、ホームセンターでベニヤ板を買い、塗料で色を塗って筆で文字を書いて作りました。周りに付けているお花は、妻と妻の母が仕上げてくれました。

ボードをかけているのは、パイプでDIYしたラックです。1年前に作ったので、前日までパジャマをかけるハンガーラックとして使っていたことは内緒です。

ウェルカムボード作りのワンシーン

⑥iPadでイラストを描いた、ゲストリスト

立食形式だったので、ポケットやかばんにすぐ入れられるようにA6サイズの4つ折りでゲストリストをデザインしました。

表は、2人のプロフィール、会場マップ、コンセプトの案内。裏面には、ゲストのお名前を一覧にして載せました。イラストはiPad Proで描きました。印刷会社のミスで、表裏の上下が逆さまで印刷されてしまったのですが、なんとか当日までに再印刷が間に合ってよかったです。

⑦心を込めて書いた、ゲスト全員への手紙

来ていただいたゲスト全員へ2人で心を込めて手紙を書きました。封筒の色をバラバラにして、表にはカリグラフィーでゲストの名前を書きました。

もともとガーデンに貼る予定でしたが、あまりの景色の美しさにCRAZYのアイデアで当日場所を変更していただき、ゲストは海に向かって手紙を取りに行くという演出になりました。

ゲストがそれぞれの手紙を取って、海をバックに自撮りをしてくれるのは予想外でとても嬉しかったです。

⑧オープニングムービー・生い立ちムービー

映像は2本作りました。素材はすべて自分達で用意し、編集はプロにお願いしました。その際の依頼用の絵コンテは全て妻が作成し、撮影は僕が担当しました。

オープニングムービーは、ストップモーション(コマ撮り)に挑戦。膨大な写真をここまでわかりやすくまとめてくれた編集の方には、本当に感謝しています。意識したことは、テンプレートっぽくならないことと、プロっぽくなりすぎないこと。テンプレートっぽくても、プロっぽすぎてもと、オリジナリティが無くなってしまうので、適度な手作り感にこだわりました。

コマ撮りのワンシーン

ドローン撮影は、同期の@ipssssに手伝ってもらいました。2020年の冬のことなのでかなり前に感じますが、思い出に残る撮影となりました。

せっかくなので、オープニングムービーと生い立ちムービーを掲載しておきます。良かったら見てください。

一生思い出に残る映像を作ることができて、本当に良かったです。

隠れたアートディレクター、マリーさんの作品

今回、隠れたアートディレクターと言っても過言ではないくらい、妻の母(マリーさん)がたくさんの装飾を作ってくれました。マリーさんがいなければ、きっとこんな素敵な結婚式にはなりませんでした。妻が世界一尊敬している女性と言っていましたが、僕も本当に尊敬しているし、本当に感謝しています。

①世界一のブーケとブートニア
②ゲスト全員分のコサージュ
③ご祝儀用のトレー
④イニシャル入りのリングピロー

①世界一のブーケとブートニア

早朝4時から花市場に行って仕入れてくれたお花たちで、合計3つのブーケとブートニアを作ってくれました。左のブーケはなんとスズラン200本!生まれて初めてこんなにたくさんのスズランを見ました。

自分の母親に作ってもらったブーケを肌身離さず持っている妻の姿は、とても美しく、親子の強い愛がお花に表れている気がしました。

②ゲスト全員分のコサージュ

ゲストには受付の時に、壁一面にかかっているコサージュから1つをプレゼントしました。合計100個のコサージュを、マリーさんが作ってくれました。

スタッフにもプレゼントしたので、会場にいる全員がコサージュを胸につけていることで統一感が生まれ、とても雰囲気のいい会場になりました。

実は、すべてのコサージュの台紙は「Mission Card」になっていて、ゲストの皆さんがそれぞれのミッションに取り組んで写真を撮ってもらう仕掛けも作りました。ミッションをきっかけにゲスト同士で仲良くなってもらったり、楽しい雰囲気を作ることが目的でした。

③ご祝儀用のトレー

参加者も覚えているかわかりませんが、ご祝儀をいただいた際のトレーもマリーさんの手作り。こんなご祝儀用のトレーは見たことがありません。

④イニシャル入りのリングピロー

実は、リングピローもオリジナルで作ってくれました。2人のイニシャルが入っています。当日の指輪の交換では、スタッフがこのリングピローを持ってきてくれたのです。

ちなみに、マリーさんは妻と妹と一緒にbetisesというライフスタイルブランドをやっています。

その他に、こだわったことや演出

①ゲストが安心して参加できるように、事前に抗原検査キットを配布
②挙式と披露宴の順番を逆にし、ナイト挙式に
③誓いのキスで花火を打ち上げ

①抗原検査キットの配布

このようなご時世ですので、来ていただけるゲストの安全を最大限配慮したいと思い、事前に全員に抗原検査キットを配布することにし、100個購入しました。

自分も他県に行く際に検査してから行ったりすることがありましたが、自分が陰性だとわかるだけで気持ちがすっきりするんですよね。少しでも明るい気持ちになってもらいたくて、メッセージや料金別納のシールは可愛らしく作りました。

②挙式と披露宴の順番を逆にし、ナイト挙式に

結婚式と言えば普通、先に挙式をやって後から披露宴だと思いますが、僕たちはあることをやりたかったのでその順番を逆にしました。

そのため、新婦がお父さんと歩くバージンロードは結婚式開始の冒頭で行いました。ちぐはぐにならないように、演出にこだわってCRAZYも初めての試みだという海側からの入場に挑戦しました。

③誓いのキスで花火を打ち上げ

ナイト挙式でやりたかったあることとは、花火を打ち上げること。コロナに入ってからしばらく見ていないであろう花火を、ゲストと家族のために打ち上げることにしました。

ロマンチックで、気分は最高潮。

その他にも、衣装やヘアメイクや、BGMやお酒やドレスコードなど、こだわったことはたくさんあるのですが、キリがなくなってしまうので続きはアルバムを見に遊びに来て下さい。

ウェディングプランニングブック

会場装飾 by CRAZY WEDDING

最後に、CRAZYの尾崎さんによる素晴らしい会場装飾を紹介します。事前にプレゼンでご提案いただいていたのですが、あまりにもイメージ通りに会場が仕上がっていたので感動しました。新婦のドレス姿を初めて見るだけでなく、会場装飾も当日初めて見るというのがCRAZYの特徴ですね。

ガーデンパーティの開放的な雰囲気になるように、各所に遊び心を散りばめましたが、みんな期待通りに遊んでくれて嬉しかったです。

ゲストが地面に座って楽しんでいたラグも、実は日暮里の繊維街に一緒に選びに行ったのものです。

やるかやらないか、それをやり切るかどうか

ウェディング会社に頼めば、それなりに感動する結婚式になります。人それぞれの形があって、どれも心から感動できるものばかりです。

そんな中でも、自分達がやりたいことをやる。そして、こだわり抜いてやり切る。今回の結婚式はそれをすることができました。来てもらったゲストの皆さんに「こんなこだわっている結婚式見たことがない」「明日から頑張ろうと思った。刺激をもらった」と言われたことはとても嬉しかったです。来ていただいたゲストに、とにかく何か感じてもらいたかった。

結婚式を2人で作り上げるプロセスは、心の底から楽しかった。

最後に、僕たちのこだわりを受け止めてくださり、最後まで伴走して一緒に作り上げてきてくれた最高のCRAZYのチームには本当に感謝しています。プロデューサーの金子さん、アートディレクターの尾崎さん、延期する前にお世話になったやすこさん、枡野さん、そして当日素晴らしい動きをしてくれたスタッフのみなさま方、本当にありがとうございました。皆さんがいたから、一生忘れられない日になりました。またお会いできるのを楽しみにしています。