話題の映画を観てきました。
スパイク・ジョーンズが監督の「her −世界でひとつの彼女−」。近未来のロサンゼルスで、主役のセオドア(ホアキン・フェニックス)が人工知能AIのサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)と恋に落ちる物語です。43部門受賞、63部門にノミネートされている、世界中で大絶賛の映画です。
あらすじや論評は他にいくらでもあるので、書きませんが、とにかく2003年公開の「ロスト・イン・トランスレーション」とセットで観ると面白いと思います。
ちなみに「ロスト・イン・トランスレーション」は、僕が以前働いていたパークハイアット東京が舞台で、日本が舞台と言うこともあり、最近観た映画の中ではかなり印象の強い作品です。
さて、「ロスト・イン・トランスレーション」の監督は、ソフィア・コッポラ。本作「her」のスパイク・ジョーンズ監督の元妻です。
そして「ロスト・イン・トランスレーション」は、ソフィア・コッポラの実体験を元に制作されたと言われていて、実際にソフィアとスパイクは過去に東京に撮影に来てるんです。そして二人は別れた。
鍵を握るのは、今回「her」でOSサマンサの声を演じたスカーレット・ヨハンソンで、スカーレットは「ロスト・イン・トランスレーション」の中でソフィア自身だと言われているシャーロットを演じています。
つまり、スパイク・ジョーンズは、「ロスト・イン・トランスレーション」の中で、元妻ソフィア・コッポラ役を演じたスカーレット・ヨハンソンを、今作「her」の中でヒロイン役として登場させているんです。
ストーリー的にも、スパイク・ジョーンズ監督から、元妻ソフィア・コッポラへのメッセージと取れる訳ですね。
実際に「her」を観ると、ゾワゾワするくらいしっくり来るわけです。ものすごい愛と謝罪の想いを感じます。ストーリーが淡々とスローペースで展開されている辺りも似ているように感じました。
実は、この話は、期日前公開に行った編集者の知り合いの方から聞いた話なのですが、こういう作中の想いをわかって観ると作品の深さが伝わってきます。やっぱり映画は、表面だけ観るんじゃなくて監督やキャストで観るのが面白いです。最近学びました。
OSのサマンサの声がスカーレット・ヨハンソンなので、声だけでもかなりセクシーですし、発情しそうになるディープなシーンもたくさんありました。
近未来と言うことで、現実にこういう時代が来るんだろうなーと、舞台のロサンゼルスもかなり魅力的に描かれていました。
時間があれば、映画館に足を運んでみてくださいー!