今日は向井万起男さんの著書「謎の1セント硬貨」について書いてみます。
ご存じの通り、彼は日本人初の女性飛行士、向井千秋さんの夫として知られています。また、他にもいくつかの著書があり、今度手に取ってみようと思います。本職は慶應大学医学部の准教授で、病理学を専門とする医師です。
この本は、友人のお母様に勧められました。「アメリカに行くならぜひ!」ということだったのでとりあえず読んでみることにしました。相変わらず人に勧められたことはすぐにやってしまう質です。
本の構成は、至ってシンプル。2009年初版刊行の本ですが、彼が1990年代末から2008年までにアメリカを旅して体験したこと、学んだことなどが15章に渡って書かれています。
結論から言うと、いや〜、向井さんと1度飲みに行きたい!笑
今風のとらえ方で表現すると、もしも向井さんがブロガーだったらそのブログを知った瞬間、面白すぎて古い記事から最新の記事までぶわぁーって読んで気がついたら朝方4時とかまで読んでて次の日にFacebookとかで「ぜひ1度お会いしたいです!!」って勢いでメッセージ送っちゃう感じ。
実際読み終わった後、彼についてすごい調べちゃいました。
もしも可能であれば、ずっと彼の下で勉強させてもらいたい、そんな衝撃を受けました。物事をあらゆる角度から見る力、ん?って疑問に思ったことは地球の裏側に届くくらい深く掘り下げて調べあげる力、読者のすぐ近くから語りかけてくるような文のリズム…
そしてものすごく謙虚なんですよね。本当はものすごい知識で溢れているのに、謙虚だからこそクールさが増す。まさに僕が前に書いた「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」という記事で取り上げたBMWの新聞広告のような生き方を実践している方だなーと思います。
僕が最も面白いと思う第9章「キルロイ伝説」から少し引用します。
“トイレの中は、このテのものとしては普通だった。清潔というわけではないが、たまらなく汚いというわけでもない。壁には落書きがかなりあったが。私は用を足しながら(小の方)、そうした落書きを眺めていた。他にすることもないから。
落書きの大半は万国共通のエッチ系で、面白くも何ともない。しょうがねぇなぁ、こんな落書きをしやがって、と思いつつ私は落書きを眺めていた。そして、意外な落書きを発見することになった。黒い字の落書きだが、その字の濃さから考えて、書かれて間もないものだ。
その落書きを見た瞬間、私は思わずニヤッとした。へぇ、この落書きをするアメリカ人が今でもいるんだ。でも、私はすぐに真顔になった。その落書きはアメリカ人のユーモア精神と歴史を忘れないという気質を表しているとも思えたからだ。”
その落書きはキルロイという伝説上の人物なんですが、彼は第二次世界大戦時にリベット工をしていたアメリカ兵という設定なんです。でも架空の人物なので、向井さんは自分でその落書きについて伝説を作り上げてしまい、アメリカのホームページに投稿してしまうくらいの拘り用。なんだか、続きが読んでみたくなりませんか?続きはアマゾンでどうぞ。笑
こんな生き方がしたい
読んでて感じたのはものすごくタイムリッチなんです。基本夫婦でアメリカを旅行しているときの出来事を書いているのですが、2人ともいつも心と時間に余裕があるんです。
余裕があるからこそ、周りをゆーーっくり見渡せて、あれはなんだこれはなんだって疑問が生まれてくる。そして、余裕があるからこそ、じゃあ調べてみよう!っていう勢いがある。
普通に生活していると、あれもやらなきゃこれもやらなきゃってなって自分の興味を追求する時間が持ててないですよね。少なくとも僕はそうです。だからこそ、彼のような生き方がしたい。
アメリカに関する本はこれで4冊目くらいですが、もっと読んで行こうと思います。あらかじめ知識を持って行くと、目に入ってくる光景が広がりますよね。早くアメリカに行きたい。あの本に載っていた光景を見てみたい、そう思います。
また1人、理想とする人物に出会えました。向井さん。ちょっと彼の過去の本も漁ってみます。
では!