ボホール島・パングラオ島を遊ぶ


9月7日AM4:00起床。

AM6:00発のフェリーに乗って、ボホール島までは2時間。ホテルのレストランがパックしてくれた弁当を持って乗り込んだ。

ボホール島は、神秘的な山々が連なるチョコレートヒルズや、手のひらにのるほどの小さな猿、ターシャが生息することで有名な島だ。隣には、白い砂浜と、透き通った南国のパブリックビーチを持つ、小さなパングラオ島が衛生のようにくっついている。

2800ペソ(およそ6000円)でプライベートカーをレンタルしてドライバーを雇い、ボホールの観光ツアーを組んだ。ターシャの森、蝶々園、人工の森、チョコレートヒルズ。




お昼は、初めての水上ランチだった。

おなかがいっぱいになった頃に、船はとある民族の村に停船した。どう見ても、他のフィリピン人よりも肌の色が黒い。フィリピンにはたくさんの言語と民族が存在することは知っていたけれど、同じ人間が他の集団から離れて生活している姿はなんとなく不思議な気持ちだった。彼らはたくさんのパフォーマンスを観光客に見せ&体験させてあげて収入を得ているようだったけれど、あんな隔離された村でも貨幣が介在していることに現実を見せられる。どんな現地民族でも、貨幣がなければ生きていけないのだ。



チョコレートヒルズは、実際に見るとなんだか意味がわからない。

なんでこんなに小さな山がポコポコしてるんだ?そしてなんで禿げてるんだ?1300個もあるらしいし。巨人の戦争の跡とも言われてるらしい。

よくわからないのに、どんな文化遺産よりもその神秘性が伝わってくる。

とりあえず、超すげー。超キレイ。

チョコレートヒルズは、マスト。


午後。パングラオ島。

やっと南国のビーチらしいビーチに来た。海が3色、ビーチ含めて4色展開。

ちょっと泳いだだけで、たくさんの魚、ウニ、ヒトデ、わかめ、やどかり、タコがうろちょろしている。ラッキーなことに、近くを泳いでいた女性がシュノーケルを貸してくれ、思わぬシュノーケリングを楽しむことができた。午後からちょーっと天候が崩れたけど、存分に海を楽しむことができた。

そして僕は埋められた。

ボホール島は、余計なお金を払うこともなく、かなり順調にいった。

チップの文化にも慣れてきた。頼んでもいないのに、向こうから一方的に好意的な態度で突っかかってきて、チップを要求されるのは非常に腹立たしいけれど、1日中僕らの車を運転してくれたドライバーには感謝の気持ちを少しでもあげたくなる。気持ちが目に見える形になるのは、意外といいもんかもしれない。

そうそう、チップと言えば。

セブ島最終日、またやらかした。
2日前にランドリーショップに出した洗濯物を、空港に行く前に取りに行こうとしたら、なんとその日は定休日。シャッターは閉まって、大声で呼んでも誰もいなかった。そりゃそうだよね、だって日曜日だもん。曜日感覚なんてちっとも頭の中に入ってなかった。

 

でも、洗濯物を回収しないと、僕のパンツも、Tシャツも、靴下も、バスタオルも、なーんにもなくなっちゃう。ちなみに、とっくに換えのパンツが尽きていた僕は、その日ですでに3日ほど同じパンツをはいていた。ばっちい。

 

さすがの下川と麗子も、これには超焦った。たまたま近くにいた警備員がそのお店のおばあちゃんの家を知っていると教えてくれたが、彼は仕事中。そこで、チップ欲しさにのこのこやってきたのがサングラスオヤジ。このオヤジが変わりにおばあちゃんの家まで行ってくれるという。洗濯物さえ取り返せればもうどうでもよかった僕らは、このオヤジについて行った。しかし、その日は日曜日。キリスト教が主流のフィリピンでは、ミサに行くため日曜日はつぶれることが多い。おばあちゃんは、教会に行っていて自宅にはいなかった。
やばい、これはやばい。
するとオヤジが、教会まで行こうと言い、ええい、もうどうにでもなれ!といわんばかりの勢いでタクシーに乗り込んだ。20分ほどで教会に着き、中からオヤジが連れてきたのは…

 

おお!洗濯屋のおばあちゃん!いやこれは涙の再会!
やるじゃんオヤジ!サングラス越しにちらつかせたニヤリ顔が、なんとなくイケメンに見えた。

でもおばあちゃん、完全にミサのために真っ白の衣装身に付けて、僕らのために抜け出してきていいのか?普通乗用サイズのタクシーの助手席にオヤジ、後ろには僕と下川と麗子と真っ白なおばあちゃんがぎゅうぎゅう詰めで乗っている光景は、今思い出しても異様で仕方ない。

話を聞くと、前日の夜僕らが洗濯物を取りに来るのを遅くまで待っていてくれていたらしい…その日はボホールから帰ってきて、夜遅かったんだよ。ごめん、おばあちゃん。

結局、僕らのためにわざわざ一度家に戻り、職場の鍵を持って洗濯物を取り出してくれた。

なんて親切な洗濯ばあちゃんなんだ。どこまで一般人の情に触れていいのかわかりづらいこの国で、初めて心からありがとうと言いたい気分だった。
これこそまさにチップものだろう。

僕らはそのサングラスオヤジと洗濯ばあちゃんに、少し多めのチップを渡した。
この国に来て初めて、心から感謝したチップになったかもしれない。
残念なことに、せっかく撮ったサングラスオヤジと洗濯ばあちゃんとの記念写真は、手違いで無くなってしまった。

 

たびたび。

旅行にトラブルは付きものだけれど、それを乗り越えて、ちょっと大人になれたセブ島周辺の5日間だった。