ありがとうとThank youに、違いなんてない

“Thank you for driving, Dad.”

“You’re welcome. Happy to do it.”

 

中学で硬式野球のクラブチームに所属していたとき、「小さなことにも感謝できるようになったとき、野球もうまくなる。まずは送り迎えしてもらう自分の親父にありがとうって言ってみろ」

と誰かに言われたことを覚えています。今でも覚えているくらい印象に残っていて、何度か挑戦してみましたが結局恥ずかしくてできませんでした。

 

それが当たり前のようにできているのが、先日Thanksgivingでお世話になったCharlieでした。

お父さんが作る朝ご飯にも、“Thanks Dad.”

お母さんの夜ご飯には、“Thank you for dinner, Mom.”

 

Charlieだけではありません。それを夫婦間でも、兄弟間でも、親子間でも、みんなが当たり前のようにやっている。中学の時に父親に「運転ありがとう」のひと言も言えなかった自分が恥ずかしくなりました。

 

ありがとうとThank youに、違いなんて、ない。

最初は、「きっとこれが文化の違いなんだろうな」「ありがとうより、Thank youの方が言いやすいし」なんて勝手に思っていましたが、「感謝する」という意味では、両者に違いなんてないということに気づきました。

Charlieの家族は、絵に描いたように幸せそうな家族です。アメリカでは、経済的な社会階級を6つに分類して表すことが多いのですが、Charlieの家族は中の上くらいのUpper middleクラス。家族はみんな博識で、休みがあれば家族でキャンプをしたりスキーに行ったり。両親ともに料理をするので、外食はほとんど無いそうです。

 

幼い頃から複雑な家族関係に置かれてきた僕にとって、気持ちの悪いくらい「綺麗な」家族でした。

 

それを実現するキーワードが、“Thank you”なんだと思います。いろんなことを振り返ったとき、「ああ、自分はきっと、ありがとうって言えてないなぁ。」と思いました。

 

一度「正の循環」に乗ると、ずっと正のまま回り続ける。

ちょっと抽象的な話しをします。

 

物事には成功回路というものがあって、一度その正(プラス)の循環を作ってしまえばどんどんいい方向に進んで行きます。これは科学的にも自己体験的にも正しくて、できる人はどんなことでも気持ちよく事が進んでいってしまいます。それは「正の循環」に乗っているから。

正の循環に乗るためには、正否を見極めるバランス感覚だったり、タイミングだったり、勇気だったり、努力だったり、色んな要素が絡み合って自分を高めていくことが必要です。

僕が見た限り、Charlieの家族は、「意識をせず」「自然に」正の循環に乗っています。色んな環境が、無意識のうちにそうさせてきたんだと思います。

 

その1つのキーワードが“Thank you”なんだろうなと思います。

 

もちろん、Charlieだけではなく、世の中には「ありがとう」が当たり前のように言える人がたくさんいます。「ありがとう」が言える成功回路に乗っかっているんですね。きっとそういう人は、「ありがとう」が言えるからこそ動かせる歯車を、どんどんいい方向に回しているんです。

 

家族を大切にすること

僕とっては、今回の体験がとても印象的でした。家族を大切にすることって、本当はすごく些細なことで、車で送り迎えしてもらった父親に「ありがとう」と言うこと、ご飯を作ってくれた母親に「ありがとう」と言うこと、ただそれだけな気がします。

 

日本人だし、別れ際にハグしてキスしてI love youなんて言わなくたっていい。

 

ただ、もう少し、ありがとうが「軽い言葉」になってもいい。

 

「ありがとう」は、本当に魔法の言葉なんですね。

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