先日タイムアウト東京(Time Out Tokyo)に「日本食について外国人が思うこと」という記事が上がっていました。自分の体験と重なって面白かったので紹介します。
日本食について外国人が思うこと – Time Out Tokyo (タイムアウト東京)
タイムアウト東京は、僕も好きなメディアのひとつで、ひと言で言えば日本のいいものを魅力的に発信しているメディアです。ロンドンで発行されたシティガイドが発端で、今はTime Out New Yorkも愛読しています。詳しくはAboutページを見てもらえればわかります。
英語対応のできるスタッフよりも、注文方法がわからない。英語メニューが欲しい。
5月に、デジタルハリウッド大学で行われた公開フォーラム「東京の文化とメディア、クリエイティブ産業の未来像」に参加してきたのですが、パネリストとして、タイムアウト東京の東谷彰子さんが、こんなことをおっしゃっていました。
「外国人が日本の飲食店で困ることは、英語の話せるスタッフがいないことよりも、注文の仕方がわからなかったり、英語のメニューが無いことなんです。」
これにはビビビっ!と来るものがあって、実際に僕がカウチサーフィンでホストするときに、そのようなシーンを何度も体験していました。
例えばラーメンや牛丼、カレーなどのチェーン店に見られる食券機。内部にいると気づきませんが、これは完全に日本文化です。それから、チェーン居酒屋に行ったときの注文方法。「飲み放題」は日本文化だし、注文するときのタッチパネル機器もそうです。また、“ローカル感”がある個人経営の小さな飲食店には、英語の話せるスタッフも英語のメニューもありません。横丁系の居酒屋とかは特にそうです。
和式トイレが困るってのも盲点ですね。ただこれに関しては、「日本らしさ」を感じてもらうという点で、僕としては残したいことの1つです。
耐えられない食べ物の中に、納豆や白子があげられています。僕は、ホストした外国人の半数くらいに納豆に挑戦させています。最初は、混ぜたときのねばねば感と強烈な臭いに、ものすごく険しい表情をしますが、恐る恐る食べるとグー!と親指を立てている人が多いです。印象が先行して、食わず嫌いなところもあると思います。
白子に関しては、シアトル出身の親子と築地に行ったときに、「白子はどこだ」と聞かれて驚いたことがあります。白子を英語でなんて言うのかわからなかったので、すぐにググったのですが、なんでこんなに白子に反応するのか疑問でした。海外から恐れられている食べ物として、人気だったんですね。
梅干しは、オランダ人カップルに南高梅を食べさせたら「うぇー」と言ってはき出していました。笑
インバウンド観光に求められるのは、受け入れ体制とバランス
最近は、観光系の本を見る機会も増え、なるべく読むようにしています。その中で、着地型観光が大切とよく書いてあります。着地型観光とは、簡単に言えばその土地の内部の人が精力的に盛り上げていこうというタイプの観光です。
今回のように、外国人が日本の飲食店で困ることなどを見ると、「すぐに洋式トイレにして、英語メニューを作らなきゃ!」と早とちりしてしまいそうですが、僕はバランス感覚が大事だと思います。
日本食のポテンシャルやPRは十分だし、あとはいかにして質の高い体験をしてもらうかに力点を置くべきです。
外国人が来ても大丈夫なように、英語メニューや、注文方法を英語で説明できるように受け入れ体制を整えることは早急にする必要がありますが、そこに彼らにとっての「日本」という新鮮さは残していかなきゃいけない。
洋式トイレも、壁に“This is the Japanese style. Just take off your pants, sit down, and do it!”とか書かれてたら、苦笑いして日本スタイルを楽しめるんじゃないかと思います。それが一生の思い出になったりするんですよね。
納豆や白子も、その土地の(その店の)人が正しい知識や説明をメニューに英語で載せてあげればいいと思うんです。それだけで、日本らしさを理解できるかもしれないし、おもてなしの心も伝わります。
日本を発信している人こそ、外国人観光客との直接のふれあいを
こういうことは、彼らと直接のふれあいが無いとなかなか気づきません。今回のタイムアウト東京の記事を読んだだけでは、深く落とし込めないと思うんです。これから日本を発信していこう、盛り上げていこうという人ほど、何かしらの形で、外国人観光客と直接のふれあいを持って欲しいです。
日本食について外国人が思うこと – Time Out Tokyo (タイムアウト東京)