9月15日、カンボジアからマレーシアに飛んだ。
今回2回目のカウチサーフィンに挑戦し、宿泊先はすでに決まっている。
彼女とマレーシアに住む、イラン人のErfanだ。
それ以外に特にプランはない。
完全に下調べ不足だ。実際、それくらいノープランでそのときそのとき巡り会ったプランでいくほうが面白かったりするんだけど。
幸いにも、今回も特上のホストだった。彼らにとっても僕らが初めてのゲストで、かつ日本にあまり親しみが無かったため、いい経験になったと言っていた。僕らは、彼らがクアラルンプール近郊を遊ぶおすすめのプランをそのまま辿った。
僕らはErfanを大好きになった。
とってもマイペースで、のんきな性格の彼は、よく考えたら出会う前からそうだった。
電話という手段が難しいため、Wi-Fiスポットを探しては彼とメールのやりとりをした。彼は、家までの行き方を箇条書きにして教えてくれるほど親切なのだが、いつも肝心な情報が抜けている。
買い物に行くと言っているが、今家にいるの?
何時に行けばいいの?
スタバで待ち合わせしようって、どこのスタバ??
こんな感じ。カウチサーフィンって、人の温かみをとっても感じられるサービスなんだけど、数日でその人の性格まではっきりわかるから面白い。簡単に合流できることもあるけど、今回みたいに合流にかなり時間がかかることもある。
しかし、そんな彼はとーってもいい男だ。2日間泊めてくれただけでなく、彼女のマイヤは朝食と洗濯を、彼は送り迎えを何度もしてくれた。
正直僕はイランに関する知識がない。
僕らのホストは英語をよく話すし、ある程度の経済力も持っている。とっても親切で、親しみやすい。
前に「言語はきっかけが大事」だと書いたけど、知識を得るのもきっかけが大事だ。イランについて、少しでも勉強してみようという気持ちになった。
彼らにサジェストされたプランは、KLツインタワー、チャイナタウン、ブキッ・ビンタン、バトゥ洞窟などだ。
マレーシアのシンボルとも言えるツインタワーは、美しい光を身にまとって堂々とそびえ立っていた。まるで、これがクアラルンプールだ!と自国を代表するような表情を持っていた。その全貌を収めるためには、地べたに横になっても間に合わない。美しすぎる写真は何回か見たことがあるけれど、その美しさは実際に目で見てもさほど変わらなかった。
チャイナタウンは、各国にありがちなローカルマーケット兼観光者向けお土産ストリートといった感じか。雰囲気はそれこそ中国らしいが、町歩きはそこまで面白くはなかった。Tシャツとバックパックが汗でびしょ濡れの僕らは、ちまたで有名なOld China Cafeに入った。そこで飲んだおいしいコーヒーとタピオカ&ココナッツのプリンの味は忘れない。
現地の食事を思いっきり楽しみ、ナイトクラブやバーを楽しむのならブキッ・ビンタン。通りにはたくさんの屋台が並び、ナシゴレンなどの現地フードが味わえる。この旅行中、何度も心から幸せだと思える時間を味わったが、ここで3人でゆっくり過ごした時間もとっても幸せを感じたひとときだった。なんていうんだろう、日本のことも、自分が何者なのかも、時間も、お金のこともすべて忘れて「幸せだー」ってなって蒸発しちゃうような感覚を何度も味わった。ブキッ・ピンタンもそのひとつ。
また、ブキッ・ビンタンには多くのショッピングモールが建ち並ぶ。クアラルンプールの渋谷的な存在だ。道ばたには、全身をきらきらに塗ってパフォーマンスをしているおじさんもいる。せっかくだし記念撮影!
バトゥ洞窟は、KLセントラル駅から電車で30~40分のところにある大きな洞窟。
ここは観光地になっており、たくさんの観光客が訪れる。300段近い階段を上るのだが、その途中にはたくさんの野生の猿が人間様の食料を狙っている。実際に、かばんからお菓子やiPhoneを奪い取ってどこかにやってしまうことが多々あるらしい。ラッキーなことに、かわいらしい野生の猿親子を撮影できたので。
クアラルンプールは都会だ。十分生活できる。旅が終わりに近づくにつれて、物価や生活観がどんどん日本に近づいているような気分になる。電車も整備されていて、ある程度は不自由なくどこにでも行ける。
でも、どこかで何かが欠けているような気もする。表面的にはとても発展しているように見えても、通りには貧しい人がたくさんいる。地べたに座ってただ手を前に出し、お金を催促する老人や、食事の席に割り込んできて、しつこくお金を催促する大人がいる。国内の格差はとても大きいようだ。
また、今回の旅行で最もムスリムの人口が多かった。頭にはカラフルなスカーフを巻いて、肌の露出が少ない。ゼミで習ったけど、あのスカーフはもはやファッションアイコン化しているらしく、通りやデパートではたくさんのお洒落なスカーフが売られていた。
ブキッ・ビンタンのとあるデパートに、たまたま日本製品コーナーがあった。日本酒も並んでいたので、ちょうどErfanとJapanese SAKEの話をしていたこともあり、お礼と感謝の気持ちを込めてプレゼントすることにした。僕らは、宮城県の「一之蔵」を購入した。
家に着くと彼は心から喜んでくれて、おいしい、おいしいと飲んでくれた。
ご存じのように、ものの味や香りを英語で伝えるのは本当に難しい。日本語でも難しいのに、文化や日本にしかない物を英語で表現する壁にぶつかるたびに、もっと英語を頑張らなきゃ!っていう気持ちになる。そして悔しい気持ちでいっぱいになる。
何はともあれ、彼らは最高のホストだった。
とてつもなく濃い、マレーシアの3日間だった。
次の行き先はシンガポール。Erfanの紹介で、シンガポールに住む同じイラン人の旧友Amirを紹介してくれた。
最後の国、シンガポールへの期待を高めながら、憧れのマレー鉄道寝台列車に飛び乗った。