今、外国人観光客が求めている旅行スタイルとは

 

毎回ゲストに書いてもらっているゲストブック。

毎回ゲストに書いてもらっているゲストブック。

カウチサーフィンでホストを始めてから、そろそろ25人目をホストするところまで来ましたが、これだけホストするとわかってくることがあります。

それは、アメリカ人であろうと、フランス人であろうと、カナダ人であろうとブラジル人であろうと、日本人と同じ経験や、感じ方をしたり、実際に日本人が「いい!」と思っているものに触れたいということです。

「どこに行こうか」と聞くと、決まって「Shinが連れて行ってくれるところならどこでもいい」と言われます。

つまり、僕が知っている場所で普段から行くような場所に行きたいのです。

実際僕が東南アジアを旅行したときも、「地球の歩き方」を見て行き先を決めるよりも、ホストによく行くおすすめの場所を聞いて回っていました。そっちの方がオリジナリティがあるし、質の高い経験ができます。

ガイドブックって個人の主観や経験に基づく情報が無くて、色が無いですよね。全部表面的で、ただいろいろな場所を紹介しているだけで、ストーリーがない。

僕と同じくらいの世代の観光客にとって、ガイドブックに載っている場所、東京だったら皇居とか、東京タワーとか、明治神宮とかに行って写真を撮るという一連の流れは、旧来型の旅行スタイルです。

もちろん観光地には訪れますが、そこに「現地人の色」があって欲しいんです。現地人と一緒に回るのでもいい、何かそこにまつわる話を聞くだけでも印象が違います。

定番の場所は、ネットで何度も目にしているし、今ではPhotoshopなどの画像編集により、実際の観光地が画像よりも劣って見えてしまい、興ざめしたという意見もあるくらいです。この間は、京都の竹林の道が写真よりも短く、色が鮮やかじゃなくて感動しなかったと言われて衝撃を受けました。

photo by CLF

photo by CLF

結局、今外国人観光客が求めている日本は、美しい観光地よりも、日本人が普段感じて、生活している当たり前の光景であることに気づきました。だとすると、自分の原体験をそのままゲストに提供している僕は、すごくニッチな存在かもしれないです。

そして、いつも外国人観光客のそばにいるべき現地人が、日本という国や日本人についてどこまでも深く知り、そういうニッチな情報を欲している観光客に向けて発信していくことはすごく価値のあることだと確信しました。