神秘の国、カンボジア

9月12日AM8時、カオサン通り発のミニバスに乗って、タイとカンボジアの国境を目指した。今旅3ヵ国目だ。

なにせ初めての陸路での国境越えだったし、カンボジアは入国にビザを申請しなければならないし、いろいろと不安だったがとりあえず移動中は3人とも爆睡。

バスに4〜5時間ほど揺られ、国境付近に着いた。

カンボジアビザに関しては、たくさんの情報が錯綜していていまいちどれが正しい情報なのかわからなかったが、僕らは陸路かつ現地取得だったため、空港や事前取得よりは当然高くなった。

空港や大使館、インターネットを使うと$20〜$25らしいが、僕らは旅行代理店を介したため1200バーツ(約3600円)要求された。

僕は単刀直入に、ビザ取得代行でいくらの利益を得ているのかいかにも怪しい担当者に聞いてみた。

「100バーツだよ!空港でとると$20だけど、ここは陸路だし現地取得だからビザは1100バーツ。僕らは100バーツもらってるんだ!」

もっと安くしろというのもなんだかめんどくさいし、ちゃんと利益をもらってることを正直に打ち明けてきたので、そこに好感をもって払うことにした。

ちなみに陸路で行く人のほとんどはそうだろうが…こんなところでビザの書類を記入させられる。

 

そして数分後、国境に着いた!

どうやらここはポイペトと言うらしい。国境付近の地方ということもあるが、カンボジアに入国したのに、フィリピンに戻ってきたみたいな気持ちだった。

道行く人の身なりや、道路整備が行き届いておらず、土埃が立ちこめているあたり。通りにはカラフルなパラソルをたてて屋台を出している。

カンボジアの通貨はリエル。しかしリエル通貨が弱いため、USドルも同時に流通している。右も左も分からなかったので、とりあえず僕らは2000バーツ(約6000円)を両替してみたが…

 

なんだこの札束は!!!合計で20万リエル…お金の感覚がさっぱりわからん。。

 

シェムリアップの宿舎に行って荷物を置いたあと、僕らはさっそく市内のナイトマーケット、パブストリートに行ってご飯を食べた。

ここは、まさにカンボジアのカオサン通りだ。どうやら人は結局、パブやバー、マーケットの揃う人通りの多いところに集まるらしい。

しかしその雰囲気と言えば、カオサンに負けず劣らず、有意義なディナーとなった。

 

本日。

相変わらずのんびりノープランな僕らは、Facebookでおすすめしてもらった「ベンメリア」を訪れた。

ここはシェムリアップから東へ50㎞ほどの所に位置し、「東のアンコール」と呼ばれている。

日本人からは、「カンボジアのラピュタ」として親しまれている地らしい。

広大な自然の中にひっそりと現れ、どっしり構えるその佇まいは、過去の繁栄を想起させる。

この大寺院は、現在も崩壊が続いているらしく、苔むした足下はすべりやすい。

そんな中、現地の子ども達が「こっちこっち」と手招きしている。好奇心の塊な僕らは、無邪気な子ども達について行った。

すると、普通の観光コースでは入ることのできない、隠れ家的な裏道を案内してくれた。

足下は不安定だし、滑るし汚いし、でもなんだかとっても楽しかった。カンボジアでは多くの学校で日本語を教えており、そのせいか彼らはたくさんの日本語を話す。

自分も小学生に戻って、彼らと歴史のアスレチックで遊んでいる気分だった。

基本的に、人からおすすめされた場所ほど行きたくなる質な僕は、真っ先にこの場所をチョイスしたが、本当に行って正解だった。

こんなに荘厳で素晴らしい景色や、まるでラピュタの世界にいるような感覚は、このベンメリア以外には味わえない。

 

トンレサップ湖。

シェムリアップから南に少し行った場所にある、カンボジア最大の大湖だ。

ここは、世界でも有数の淡水魚が多い湖で、漁業のためお隣のベトナムからも足を運ぶ人が多い。

僕らはボートに乗り込み、1時間の遊覧コースを回った。

途中、水上に生活するベトナム人の村があり、休憩のために上陸した。

どこかで見たことがあるような気がしたが、多分それはテレビの中だ。世界なんちゃら系のテレビ番組で、絶対にここは1回見ている気がする。

小さな桶やオールを駆使して上手に進む子どもの姿や、水上に浮かぶベトナムの小学校など、現地生活をこの目で見ることができた。

毎日のように、額から流れる汗の滝を持つ僕にとって、水辺を進むボートが切る風が心地よかった。


 

昼食をはさみ、宿舎で少し休憩を取ったあと、いよいよお待ちかねのアンコールワット。

明日も行く予定があるため、今日は少し遅めの夕方5時くらいに行った。それがなんと大当たり。

客足は引き返す一方で、たくさんのプライベートアンコールショットを撮ることができた。

アンコールワットについては、後日詳しくまとめるとして。

 

夜ご飯は、国道6号線通り沿いにある日本人ゲストハウスの「タケオゲストハウス」に併設された、「タケオ食堂」で食べた。

同じく、先日友人から教えてもらって、真っ先に訪れた。

部屋も料理も格安なことから、バックパッカーに大人気のこのゲストハウスは、日本人大学生で溢れかえっていた。

あちこちから、僕らと同じような経験をした人達の話し声が聞こえてくる。なんだかサークルの合宿所のような雰囲気だった。当然、満足な夜ご飯を食べることができた。

このゲストハウスのひとつ良かった点は、バーツからドルへの両替に手数料がかからなかったこと。先述したように、リエルは通貨価値が低く弱いため、あまり流通しない。その点両替にはどこでも手数料がかからない。しかし通常の両替所だと、バーツからドルへの両替に3〜5%の手数料がかかる(らしい)。しかしタケオゲストハウスは、その手数料を取らずにドルに両替してくれた。物価の安いこの国では、たった3〜5%の手数料がペットボトル数10本分に相当することもある。ちょっと得した気分だった。

 

さあ、明日は早朝4時起き。アンコールの朝日を臨めることを願って。